
カメラレンズは「コーティングが大事」だと言われています。カメラレンズのコーティングにはどんな役割があるのでしょうか?コーティングが剥がれるとしたら、どんな原因があるのでしょうか?今回はそんなカメラレンズのコーティングについて解説したいと思います。
なぜカメラレンズにはコーティングが必要なのか?
カメラレンズのコーティングには多くの役割があり、主に光の反射を防ぎ、効果的にRGBの光を取り込むことです。
■カメラレンズはガラスなので光を反射する
カメラレンズはガラスで出来ています。見た目には透明なガラスでも、ガラスは光を反射してしまうので光の透過率は96%程度です。つまり4%の光が反射してレンズの奥にまで透過しません。レンズは一枚のガラスではなく複数のガラスで構成されています。
例えば5枚で構成されているレンズなら、20%も光を跳ね返してしまうのです。それだけでなく、レンズの反射した光が複数のレンズの中で反射し続けると、ゴーストやフレアという現象を引き起こしてしまいます。レンズの反射を抑えて、光の透過率を高めるためにレンズコーティングが必要になります。
■多層コーティングが必要なわけ
コーティングといっても、カメラレンズを構成しているガラスにコーティング剤を塗りこんで終わりという単純なものではありません。特殊なコーティング剤を「真空蒸着」や「スバッタリング」という先進の技術でガラス面に均一なコーティングを施していきます。光には波長があって、それぞれ異なっています。
例えば紫外線と遠赤外線では波長が異なっています。そのため高級なカメラレンズになると10層ものコーティングによって、各波長の光の反射を抑えています。レンズによっては、なんと99.9%の光透過率を誇っているものもあります。
■コーティングでRGBだけ取り入れることも可能
デジタルカメラはレンズから取り入れた光を、CCDやCMOSというイメージセンサーで受光して光を電気信号に変換します。多くのイメージセンサーはRGB(レッド、グリーン、イエロー)の光の三原色で画像を生成します。そのためにカメラレンズにコーティングをして、RGBの光だけを効率よく取り入れるようにしています。
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